パート、アルバイトの方にも有給が発生することは、今や、ほとんどの方がご存じなのではないでしょうか。

特に従業員側では、ネットで調べればすぐに分かります。

(経営者の方の中には、まだ一定数「パートに有給は無い」と思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。温度差がありますね…。)

顧問先の意識の変化

当事務所でも、顧問先様から「有給管理も行ってほしい」という追加のご依頼が増えてきました。

顧問報酬のオプション費用を払ってまで、パートさんの有給管理をされる姿勢を拝見すると、「素晴らしいことだな。少し前までは考え難いことだったな」と思ったりします。

有給管理は難しい

有給管理は、煩雑です。
特にパート・アルバイトの方は、勤務日数や時間がバラバラなことも多く、正社員のように一律で管理できないため、比例付与の計算や取得状況の把握が難しくなりがちです。

「付与日数が分からず混乱する」
「間違っていて従業員から指摘されて恥ずかしかった」
「いくら有給の金額を支払えばよいか分からない」

といったご意見をいただくこともあります。

有給5日取得義務で混乱も

また、最近では「有給5日取得義務」の影響もあり、パートさんにも「有給を取ってくださいね」と声をかける企業が増えています。
この5日の取得義務は、年に10日以上有給を付与される方が対象となります。
誰に5日の取得義務があって、誰が義務までは無いのか、など混乱してしまいます。

労働者意識の変化と企業の対応

かつては「パートに有給なんて…」という空気があったのも事実です。
しかし今は、情報がオープンになり、労働者側の意識も高まっています。

「有給があるのに取らせてもらえない」
「申請したらシフトを減らされた」

といった声がSNSや口コミで広がる時代です。

だからこそ、企業側も「知らなかった」では済まされません。

正しく理解し、正しく運用することが、信頼される職場づくりの鍵だと思います。

休む権利と働く義務

有給休暇は、労働者に与えられた「権利」です。
一定の条件を満たせば、雇用形態にかかわらず、誰もが取得できるもの。
これは、働く人が心身の健康を保ち、長く安心して働き続けるために、法律で保障された制度です。

一方で、労働者には「誠実に働く義務」もあります。
これは、単に「働く」という意味だけではなく、職場のルールを守ること、業務に責任を持つこと、そしてチームの一員として協力する姿勢を持つことも含まれます。

「休むときはしっかり休む」「働くときはしっかり働く」
このメリハリがあるからこそ、職場全体の生産性や雰囲気も良くなります。

企業側も、労働者側も、お互いの立場を理解し合いながら
「(企業は従業員の)権利を尊重し、(従業員は)義務を果たす」という意識を持つことが大切だと思います。

それが「お互いを尊重し合える職場の空気」になるんだろうな〜〜、なんて思います。