退職後に届く「思わぬ手紙」

未払い残業の請求は、ある日突然やってきます。 

退職から半年、あるいは1年が経過した頃に請求されるケースも、決して珍しくありません。

行政の現場でも、こうしたご相談は非常に多く寄せられています。

事業主の方からよく伺うのは、

  • 「円満に退職したはずなのに、まさかこんなことになるなんて……」
  • 「会社に迷惑をかけて辞めていったのに、その上、残業代まで請求するのか!」

「人間不信になりそうだ」と嘆かれる方もいらっしゃいます。

 しかし、法律に基づいた正しい対応をしていなければ、こうした事態はどの企業にも起こり得ます。

従業員の方も、それぞれの立場で必死な場合があります。

単純にお金を支払って欲しいケースもあれば、感情的なもつれが原因であることも。

また、在籍したまま労働基準監督署を通して請求を行うというケースも少なくありません。

よくある「事業主の主張」

ご相談の際、事業主の方からは、次のような言葉を耳にすることが多いです。

  • 「早く帰った日も1日分払っているから、残業代は相殺されているはずだ」
  • 「業界の慣習として、残業代は払っていない」
  • 「月給に残業代を含めている(※ただし時間数や金額は明記していない)」
  • 「仕事が遅いから残業になっている」
  • 「勝手に残業しているだけで、こちらが命じたわけではない」

しかし、これらは就業規則や雇用契約書で正しく定めていなければ、未払い残業として請求される可能性があります(それらに定めても限界はありますが)。

さらに、

  • 「うちは人間関係が良いから大丈夫」
  • 「今までそんなことを言ってきた人はいない」

といった安全神話も、残念ながら法的根拠にはなりません。

リスクを抑えるための備え

未払い残業のリスクを下げるためには、事業主は次のような対応が考えられます。

  • 予め残業代を含む給与体系の場合
    固定残業代(みなし残業)を賃金に含める場合は、就業規則や雇用契約書で、残業時間や金額を明確にします。
  • 仕事が遅い・勝手に残業する場合
    「仕事が遅い」「勝手に残業する」といった状況を放置せず、普段から指導を行い、業務の仕組みを整えます。
  • 時間管理をしていない場合
    企業には労働時間を把握する必要があります。
    企業で時間管理をしておらず、従業員が自分でメモ等で労働時間の記録している場合は、企業は証拠がないため反証ができず、従業員の言い分が通ることもあります。

こうした取り組みを行っているだけで、後々の大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

「うちは大丈夫」ではなく「事前に備える」

世間でどのようなトラブルが起きているかを知り、事前に対策しておくことが重要です。

「うちは大丈夫」と思っていても、突然の請求に悩まされる事業主は後を絶ちません。

 ルールや労働条件を明確にしておくことで、従業員も安心して働けます。

「透明性のある環境」で働けることは、従業員にとっても安心感に繋がり、結果として企業の魅力(採用)にも直結するはずです

まとめ

未払い残業請求は、予想外のタイミングでやってきます。

それも、本業が忙しい時期に…。 

「備えあれば憂いなし」。 

ルール整備と日々の対応こそが、事業主と従業員双方の安心につながります。

法律にのっとった「トラブルの予防」に力を入れたい企業様は、ぜひ神戸の「社労士オフィスIRODORI」までご相談ください。